無料でも文句を言う、という異常性

無料でも文句を言うべき、と主張する人間の価値観は永遠に理解できないだろうし、僕の考えも理解してもらえないだろう。


なので、このエントリーはそうした人たちでなく、無料のものに対して文句を言うことに違和感を持つ、一般的な道徳と価値観を持つ人向けの話となる。


まず、批評と文句は違う。

無料サービスに対して批評するのはアリだと思うが、文句を言うのはお門違いも甚だしい。

批評とは良いところを評価しつつ、改善点を提示する、ユーザからのサービスのような行為である。

間違っても感情的に暴言を放つ行為ではない。


そもそも、文句が出るシーンとはどんな時か。

それは『自分が損害を受けた場合』である。

商品を買ったり有料サービスを受け、それが支払った金額に見合わないものであれば、文句が出るのは当然。

お金という分かりやすい損失を受けているのだから。

(いわゆる基本無料・課金式のサービスに対して、課金ユーザが文句を言うのは至極真っ当な権利だと思う)


『無料サービスにも文句を言うべき』と主張する人間は、文句を言う根拠として、

『無料サービスでも、提供側は別の形で利益を得ているのだから文句を言ってもいい』

という、身勝手な理屈を展開する。

嫌儲かよ。稼いでたら叩いていいという考え方がもう異常。


たとえ無料サービスでも、運営は何らかの形で収入、利益を得る。

広告収入だったり、別の有料サービスへの導線だったり、人を集めて情報収集が目的だったり。

けど、それと利用者の損失とは無関係である。

嫌だったら止めればいい。金を払ってるわけではないのだから、失ったものは何もないのだ(繰り返すが課金ユーザは除く)。


……いや、ここで『時間を失っただろ!』とか『このサービスを利用する労力を費やした!』とか言われると、「あっ、ハイ」としか言い返せなくなる。

困ったことに筋は通っているから。筋だけは。クレーマーの考え方そのものだけど。

どちらにしても社会では関わりたくない人であることは同じ。


つまるところ、試供品やボランティアに文句をつけるクレーマーと同じようなものだ。

彼らは正当なことを言っているつもりで、その理不尽さに気づかない迷惑な存在であり、自分に甘く他人に厳しいだけの場合がほとんどである。


こうした悪意は、サービスの終了を早めてしまうし、一般利用者にとって損害を与えることになる。

実際にそうした例はいくつもあるのだ。


無料サービスに粘着するクレーマーは、残念ながらいなくならないし、声も大きい。

我々一般ユーザは、こうした害悪にサービスを潰されないよう、臆さず彼らに声を上げていきたいところだ。